あの日はやけに暑い日で蝉がたくさん泣いていました
訃報(しらせ)をうけて買いに走る黒い服もネクタイも まだ俺たちには早すぎるとおもってた
いつもの調子であがりこもうとするおまえの家の玄関の靴の多さがことの重さを伝える
他愛もないバカ話しながら一晩中飲み明かしたよな そのおまえの部屋が泣いてる・・・
手の合わせ方もわからずに 立ちっぱの俺達に ほら…
そんな狭いことで眠っていないでコーラでも買ってきてくれよ
こんなに良く晴れた日なのに
 汗だといっても誰も信じない涙がながれた…
写真の中でわらうおまえは「じゃあな」と別れたあの夜のまま
おまえだけ独りにするように 青く抜かれている景色に  一緒に写っていたのは俺達
手の合わせ方もわからずに 立ちっぱの俺達に ほら…
そんな狭いことで眠っていないでコーラでも買ってきてくれよ

やっと手を合わせ目を閉じた そのまぶたのむこうで ほら…
背中むけたままで黙ってないで もう一度わらってくれよ
こんなに良く晴れた日なのに
 汗だといっても誰も信じない涙がながれた…


                             by eye-kugenuma-  2006.8


マスターのおうたに戻る   Return to HOME..